文理や志望校はどう決める?花咲徳栄高校での講演会
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花咲徳栄高等学校は埼玉県の私立高校です。学業にも課外活動にも力を入れています。 そんな花咲徳栄高校さまとmanaboのコラボで、大学生PTによる講演会を実施しました。 登壇してくれたのは、明治大学文学部2年のもみじPTと、東京理科大学理学部4年のずみぞうPTの2名です。
文系に進むと進路選択の幅は広い。国語・英語に大きな比重が。
ー文系に進むと、受験勉強はどのように進めていきますか?
もみじPT: 文系では国語・英語・日本史か世界史の3科目がほぼ必須になります。国公立を受験する場合は、さらに数学が数学ⅡBまで、理科基礎、社会がもう一つ必要になってきます。最近では文系でも数学が必須の大学もあるようです。 中でも国語と英語が配点も高く、中心として勉強していくことになります。どちらも1年生から習っている教科なので、地道にコツコツ勉強を進めていくことが大切です。
ー文系からだとどのような職業に就けますか?
もみじPT: 進路選択の幅は広いです。3年生から4年生で就職活動をして、卒業後に就職する人が多いです。 最近だと文系からIT企業に進む人も増えてきました。教員や公務員になる人もいます。大学院に進学する人はあまり多くありません。 私は中学生の頃から数学や理科が苦手で、中学の頃から文系に進むだろうと思っていました。その中で、教員免許がとりたかったので、明治大学文学部を選びました。
理系は数学・理科が中心。大学院に進学する人も多い
ー理系に進んだら、どのように受験勉強を進めていくことになりますか?
ずみぞうPT: 理系では英語と数学 (数Ⅲまで)に加え、理科 (物理・生物・化学・地学)が必要です。 国公立や医学部、最難関の私立大学だと理科を2科目受けなければいけない大学も多いです。国語と社会は基本的に共通テストのみですが、二次試験で現代文を使う国立大学もあります。 ウェイトが重いのは数学と理科です。計算が多い上に、2年生の後半や3年生に習う内容も多いので仕上げるのが大変です。1年生のうちから基礎を身につけておくと、後で役に立ちます。
ー理系の人は大学卒業後どのような進路に進みますか?
ずみぞうPT: 大学院の修士課程に進学する人が多いです。 学部の4年間と修士の2年間の合計6年間学んでから就職をするのがメジャーですが、最近は学部4年で就職する人も増えてきています。 理系学部での学びが活かせる就職先としては、金融業界やコンサルティング業界が人気です。
2年生になる前に、基礎固めと進路の方向性を定めたい
ー2年生になるにあたって、やっておいた方がいいことはありますか。
もみじPT: 私は高1・高2の頃は勉強する習慣が身についていなくて、高3になったときには周りの受験生に大きく遅れをとっていました。 2年生は行事でも部活でも中心となる学年で忙しいので、1年生のうちに自分なりの両立方法を見つけておくといいと思います。
私は通学時の電車で少しでもいいから勉強するようにしていました。また、休み時間に勉強を少しするだけでも違うと思います。 加えて、1年生のうちに志望校や将来の夢を探し始めると、モチベーションも保つことができるため良いと思います。 最初は漠然と「こういうことやりたいな」「この大学かっこいいな」などでもいいので、積極的に動いていってほしいです。
ずみぞうPT: 2年生になるにあたって、やっておくべきことは3つあります。
1つ目は、部活と行事に全力を注ぐことです。 部活にしろ行事にしろ集中して取り組む場面が多くありますが、その集中力が3年生になったときの受験勉強に大きく役立ちます。 自分や周りの友人を見ていても、最後まで何かを本気でやっていた人ほど集中力があると感じていました。
2つ目は、進路について調べておくことです。 3年生になってからだと、選択肢が少なくなってしまっていることもありますし、受験勉強で忙しくて進路調べどころではないと思います。ある程度でも良いので、固めておくと良いと思います。
3つ目は、国語・数学・英語の基礎固めです。 この3科目は忙しくても最低限やっておきましょう。自分自身国語が苦手で基礎もなっていなく、3年生になってから慌てて基礎固めをしました。 わからないことからは逃げたくなってしまいますが、そういう時こそmanaboを使って質問してほしいと思います。
講演会の終盤では、生徒さんからも質問を募集しました。
「やりたいこと」を探すのは難しい。文理や志望校はどう決める?
ー大学でやりたいことが見つかりません。志望校や志望学部はどうやって決めましたか?
もみじPT: 私は中3の時から「教員になる」という将来の夢が決まっていたので、国語科の教員免許が取れる大学の中で、なるべく高い目標にしました。 数学と理科が本当に苦手だったので、1年生の頃から私立大学に絞り、その分とことん上を目指したいと思っていました。 ですが部活が週6〜7と忙しくてなかなか勉強ができず、受験生になったときには最難関の私立大学は難しいと先生から言われてしまいました。 今の大学でもとても充実していますが、1年生からもっと頑張っておけばもっと上を目指せていたのかもしれない、と後悔もあります。
やりたいことが決まっていない人ほど、積極的に大学について調べていってほしいです。 最初は「キャンパスがきれい」や「立地がいい」など憧れのようなものでもいいので、自分から動いて、色々見たり聞いたりしているうちに、やりたいことが見つかってくると思います。
ずみぞうPT: 小さい頃から計算が好きで、得意でもあったので、漠然と理系に進むと思っていました。 2年生で理科の受験科目を習うようになってから、化学に特に興味がわきました。高校の勉強だけでは説明がつかないことにも興味が出てきて、大学でもっと深めようと思い化学科を選びました。
1年生では学部だけ決まっていて、基礎を学んでから2年・3年で学科に分かれる大学と、はじめから学科を決めて受験する大学とがあります。後者の場合は、学部だけでなく学科もきちんと見て選んでほしいです。 たとえば理学系だと物理学科・化学科・数学科と色々ありますが、なんとなく選んでしまうと、後から実験やレポート課題がとても大変です。 自分が何に興味があるかを知るためにも、まずは学校の勉強に向き合うことが大切です。
文理関係なく、1年生のうちは国語・数学・英語の3教科をしっかりやってほしいです。この3科目ができると受けられる大学が増え、2年生3年生では理科や社会の勉強に力を入れられます。 簡単に進路の幅を狭めないためにも、1年生で基礎固めをしっかりしておきましょう。
ー理科の科目はどのように選択しましたか?
ずみぞうPT: 自分の興味と、受けたい大学の試験科目とで決めました。 自分の「好き」や「興味」はもちろん大切ですが、大学や学部によって受験に必要な科目が定められていることもあります。たとえば、慶應義塾大学の理工学部の場合は、物理・化学の2科目でしか受験できないので、生物や地学を選んでしまうと、独学で物理や化学を勉強する必要が出てきます。 自分が行きたい・受ける可能性のある大学の試験科目をしっかり確認しておくことも大切です。
高校生の永遠の悩み、勉強の継続方法。先輩がやっていた息抜きやリフレッシュ法とは
ー勉強していて集中力が切れたときは、どうしたらいいですか。
もみじPT: わたしは寝ることが好きだったので、時間を決めて仮眠していました。ダラダラ勉強を続けても質の低い勉強しかできないと思ったからです。 特に部活などで忙しくて勉強量が確保できない人は、質を意識するのがいいと思います。
ずみぞうPT: わたしも疲れたときは仮眠を取るようにしていました。 他には、15分〜20分ほど、勉強場所を離れて外の空気を吸いに行っていました。散歩をすると気分もリフレッシュできるのでおすすめです。
ー勉強しなきゃいけないことはわかっているんですが、なかなか継続できません。モチベーションを継続するコツはありますか。
ずみぞうPT: 長時間続けて勉強しすぎないことです。 無謀すぎるノルマを設定すると、達成できなかったときの絶望感でどんどん勉強が嫌いになってしまいます。まずはできるところからやって、徐々に量や質を上げていくのがいいと思います。 勉強のスケジュールを立てることも大切です。わたしは1・2年の頃は学校の授業をいちばん大切にしていました。1週間の授業でわからなかったところを土日に潰して、理解してから新しい週を迎えるようにしていました。
ー勉強と課外活動やプライベートの両立や息抜きはどのようにしていましたか。
もみじPT: 私は友達と話すことが好きなので、友達とのおしゃべりでリフレッシュしていました。学校の行きは勉強して、帰りは友達と喋る、というふうにメリハリをつけられるといいと思います。 2年生から塾に通い始めたので、それからは勉強は塾でして、家では勉強しなかったです。切り替えて、家ではのんびりしていました。
ずみぞうPT: 部活をやっていた頃はとにかく部活を優先していましたが、勉強は簡単なことだけでもいいからやるようにしていました。 達成できないこともありましたが、「単語を10個覚える」など小さい目標をコツコツとこなしていきました。 部活が終わってからは学校や自習室で勉強していました。家ではゆっくり休んだり、息抜きで動画を見たりして、場所で気持ちを切り替えていました。 自分にとってのリフレッシュは友達とのおしゃべりで、カフェで話し込むこともありました。 気持ちの切り替えやリフレッシュは大切なので、3年間欠かさないようにしていました。