個人学習塾経営を成功させるためには、生徒の集客が重要です。
近年、少子化の影響で子どもの数が減少しており塾間の競争はますます厳しさを増しています。
そのため、個人学習塾が集客に力を入れることは、個人塾の経営の安定化に欠かせません。
本記事では、個人塾が生徒の集客を成功させるための3つのポイントと、おすすめの集客方法を15選紹介します。
また、集客における注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。
個人塾が集客に力を入れる重要性
個人塾が集客に力を入れるのは以下の2つの観点から重要です。
- 少子化により子どもの数の減少
- 経営の安定化
それぞれの詳細を確認していきます。
少子化により子どもの数の減少
近年、少子化の影響により子どもの数が減少傾向にあります。
総務省統計局の推計によると、2020年時点で15歳以下の人口は約1,500万人です。
これまでの子どもの数と比べて過去最低水準となっており、今後もさらに減少が続くと予想されます。
子供の数が少なくなれば、塾間の生徒募集の競争が高まります。
個人塾は大手塾と比べて知名度や規模が劣るため、生徒を確保することが難しくなるのです。
出典:総務省統計局「統計局ホームページ/統計トピックスNo.128」
経営の安定化
塾を経営していくためには、生徒を集めて経営を安定化させることが重要です。
経営が安定していなければ、優秀な講師も集められません。
講師は塾経営の最重要資源であり、教育レベルや生徒満足度に大きく影響します。
また、生徒が多ければ、講師への報酬額や待遇も向上させることができます。
個人塾の経営を安定化させることで優秀な講師の採用や生徒の満足度につながるため重要です。
個人塾が生徒の集客を成功させるための3つのポイント
個人塾が生徒の集客を成功させるためには、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。
- 塾の強みやコンセプトを考える
- ターゲットを絞る
- 塾に適した集客方法を検討する
それぞれのポイントについて、詳しく確認していきます。
ポイント①:塾の強みやコンセプトを考える
効果的な集客方法を考えるためには、塾の強みとなる特色、理念などを表すコンセプトの検討が重要です。
コンセプトが明確であれば、塾の魅力や差別化点を伝えやすくなります。
たとえば、「個別指導で学力だけでなく自立心も育む塾」や「志望校合格に向けて徹底的にサポートする塾」などがコンセプトとして考えられます。
コンセプトを考える際には、自分の経験や専門性、教育方針などを活かしてください。
ポイント②:ターゲットを絞る
作成したコンセプトをもとに、塾が想定する顧客層となるターゲットの生徒を絞るのがポイントです。
ターゲットを絞ることで、より効果的な集客方法を検討できるからです。
たとえば、大学受験向けの学習塾であれば、受験に向きあう生徒がターゲットとなります。
ネイティブ英語に特化している場合は、英語の発音からスラングまで学びたい生徒がターゲットの例です。
ターゲットを絞る際には、年齢や性別、学年、学力レベル、志望校や目標などを考慮してください。
ポイント③:塾に適した集客方法を検討する
個人塾のコンセプトやターゲットを考えた上で、より塾に適した集客方法を検討するのが重要です。
学習塾における集客方法はさまざまなものがありますが、大手学習塾の真似をしてもうまくいかない場合が多いです。
また、個人塾は規模や資金力が限られているため、自分の強みや特色を活かした集客方法を選ぶことが求められます。
たとえば、ホームページやSNSでコンテンツマーケティングを行ったり、地域密着型のイベントやキャンペーンを企画したりなどが考えられます。
自分の得意分野やリソース、競合状況などを分析して塾に適した集客方法を検討してください。
個人塾が多くの生徒を集めるためのおすすめ集客方法15選
個人塾の生徒集客におすすめの集客方法を15選紹介します。
- チラシのポスティング
- 看板・冊子
- 口コミ
- 割引キャンペーン
- 体験授業
- 紹介制度の制定
- CM(コマーシャル)
- DM(ダイレクトメール)
- メールマーケティング
- マーケティングオートメーション
- YouTubeマーケティング
- SNS運用
- ホームページやブログ・SEO対策
- ポータルサイトへの掲載
- オンライン広告
個人塾に適した集客方法を導入できるように参考にしてください。以下でそれぞれの詳細を確認していきます。
集客方法①:チラシのポスティング
チラシのポスティングとは、近くの民家にチラシを入れる集客方法です。
ポスティングは、近隣の生徒に塾の強みや特徴を伝える際におすすめです。
チラシには、塾のロゴや名前、コース内容、料金、連絡先などを分かりやすく記載してください。
また、チラシを入れるタイミングも重要です。入試シーズンや期末テスト前など、生徒が勉強に関心が高まる時期を狙って配布すると効果的です。
集客方法②:看板・冊子
看板・冊子とは、看板を設置することでその場に塾があることを示したり、冊子を置いて興味を引いたりする集客方法です。
近隣の生徒を集めたい個人塾には、有効な集客方法となるでしょう。
集客方法 | 説明 |
---|---|
看板 | 塾のロゴや名前、キャッチコピーなどを目立つように表示 |
冊子 | 塾の紹介や講師紹介、コース内容、料金、成果事例などを詳しく記載 |
また、看板や冊子を置く際には、学校や駅など、生徒が多く通る場所や目につきやすい場所を選んで設置すると効果的です。
集客方法③:口コミ
口コミは、塾のブランド力や信頼性を高めることができる集客方法です。
口コミを増やすためには、塾に通う生徒や保護者の満足度を高めることが大切です。
生徒のニーズに合わせたカリキュラムや指導法を提供し、成績向上や目標達成に導いてください。
また、生徒とのコミュニケーションも重視し、生徒の悩みや相談に親身になって応えたり、励ましや褒め言葉をかけたりして信頼関係を築くことが大切です。
集客方法④:割引キャンペーン
割引キャンペーンを取り入れて、お得な料金で入塾できることで入塾を迷っている生徒を入会させる集客方法も効果的です。
一時的な効果として、保護者の入塾に対する意欲を高めることができます。
たとえば、初回入会時に入会金無料や初月半額などの割引を提供したり、友達紹介で特典を付与したりすることが効果的です。
割引キャンペーンを行う際は期間や条件を明確に告知してください。
集客方法⑤:体験授業
体験授業とは、実際の講義を体験してもらうことで、塾の良さを理解してもらい入会を促すことができる集客方法です。
この方法は、生徒がどの塾にするべきか悩んでいる場面でおすすめです。
体験授業では、塾の雰囲気や講師の指導力、教材の質などをアピールできます。
体験授業を実施する際には、事前に生徒の学年や学力、目標などを把握してください。
入会を迷っている生徒にあったレベルや内容の授業を行うことで集客が期待できます。
また、体験授業後には、感想や質問を聞いたり、入会案内を行ったりしてフォローアップする方法も有効です。
集客方法⑥:紹介制度の制定
紹介制度とは、塾に満足している生徒が自分の友達を入塾させることで、特典や割引を受けられる集客方法です。
既存生徒のロイヤルティを高めるとともに、新規生徒に信頼感や安心感を与えます。
また、口コミが広がることで、塾の知名度やブランド力も上がります。
紹介制度を取り入れる際は、紹介者と紹介された者の両方にメリットがあるように設計することが大切です。
集客方法⑦: CM(コマーシャル)
全国に塾を構える場合は、CMを利用することで知名度を向上させることができます。
また、CMは塾の特色や強みを伝えやすい点もおすすめポイントです。
たとえば、合格実績や講師陣の紹介、カリキュラムや教材の特徴を伝えることで塾の強みを広めることができます。
CMを制作する際は、ターゲット層や放送時間帯に合わせて内容や演出を工夫することが必要です。
集客方法⑧: DM(ダイレクトメール)
メールなどで直接送付するDMを利用することで、10代の年齢層から興味を惹くことができます。
たとえば、DMには体験授業や無料相談会などのイベント情報やキャンペーン情報を記載できます。
また、塾の雰囲気や成果事例を写真やグラフなどで視覚的に伝えることも可能です。
DMを作成する際は、タイトルや見出しを工夫して読み手の注意を引くことや、アクションへの誘導を明確にすることが大切です。
集客方法⑨:メールマーケティング
メールマーケティングは、メールを用いて生徒とコミュニケーションを取り、入塾を促す集客方法です。
メールは、電話やSNSよりも気軽にやりとりできるため、生徒にとっても負担が少なくなります。
また、メールを利用することで塾の特徴やカリキュラム、イベントなどの情報を詳しく伝えることができます。
メールマーケティングは、密なコミュニケーションが取れるため生徒を入塾まで検討させやすい集客方法です。
集客方法⑩:マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションは、マーケティングを外注化することで、塾に負担なく生徒を集められる集客方法です。
たとえば、ホームページから問い合わせをした生徒に対して、自動的にメールを送ったり、入塾希望者に対して自動的に電話をかけたりできます。
また、マーケティングオートメーションでは、生徒の行動履歴や属性などを分析して最適なタイミングでアプローチすることも可能です。
マーケティングオートメーションを利用することで、塾のスタッフが手動で行っていた作業を自動化しながら生徒の集客が可能となります。
集客方法⑪:YouTubeマーケティング
YouTubeマーケティングは、若い世代の認知度拡大に効果的な集客方法です。
世界最大の動画共有サイトであり、10代の多くが利用しています。
たとえば、YouTubeでは、塾の授業風景や先生の紹介、受験情報などの動画を作成することで、生徒に塾の雰囲気や魅力を伝えることができます。
また、コメント機能を活用することで、生徒とのコミュニケーションを取ることも可能です。
集客方法⑫:SNS運用
SNS運用は、認知度拡大や生徒の興味関心を集められる集客方法です。
SNSは、YouTubeと同様に10代の多くが利用しているコミュニケーションツールです。
また、友達や家族とのやりとりだけでなく、興味のある情報や話題を探す場でもあります。
そのため、SNSで塾のアカウントを作成し、定期的に投稿することで生徒の興味関心を集められます。
加えて、塾のイベントや成果報告、生徒の声などの投稿で、生徒に塾の活動や実績を伝えることも可能です。
SNSでは、シェアやいいねなどの機能を活用することで高い口コミ効果も期待できます。
集客方法⑬:ホームページやブログ・SEO対策
ホームページやブログ・SEOは、検索エンジンからの流入を増やせる集客方法です。
検索エンジンは、インターネット上で情報を探す際に使われるツールです。
検索エンジンで塾のホームページやブログが上位に表示されることで、ホームページやブログからの流入を増やせます。
また、塾の紹介や授業内容、受験情報などの記事を作成し、生徒に塾のサービスや価値を伝えることが可能です。
必要に応じて、問い合わせフォームや無料体験申し込みなどの機能を設置することで生徒の入会が期待できます。
集客方法⑭:ポータルサイトへの掲載
ポータルサイトに自分の塾を掲載することで、多くの保護者や生徒にアピールできます。
塾を探している保護者や生徒がよく利用するため、塾への入会を検討しているターゲット層に直接アプローチが可能です。
また、ポータルサイトには塾の評判や口コミなども掲載されるため、信頼性や説得力も高まります。
ポータルサイトを利用する場合は、生徒が入塾したくなるようなデザインや内容を記載してください。
加えて、写真や動画なども活用したり、見やすい場所にキャンペーンなどを記載したりすると効果的です。
集客方法⑮:オンライン広告
オンライン広告は、個人塾が多くの生徒を集めるために有効な集客方法です。
オンライン広告にはGoogleやYahoo!などの検索エンジンや、FacebookやTwitterなどのSNSなどがあります。
インターネット広告を利用することで幅広い地域から塾の認知度拡大を期待できます。
また、キーワードや地域などでターゲットを絞り込めるため効率的に集客できるのです。
個人塾の集客における注意点
個人塾が生徒を効率的に募集するためには、以下の注意点を押さえてください。
- 顧客の満足度を高める方法を検討する
- 見込み客に対応する
- 集客の効果測定を行う
- 集客方法を多様化する
- 集客コストを抑える
それぞれの注意点の詳細を確認していきます。
注意点①:顧客の満足度を高める方法を検討する
個人塾の集客において最も重要なことは、既存の顧客の満足度を高めることです。
満足度が高い顧客は紹介などで新たな生徒を呼んでくれるため集客につながります。
また、満足度が高い顧客は、口コミやSNSなどで自然に宣伝してくれます。
たとえば、生徒管理システムの導入やこまめな保護者連絡などは、顧客の満足度を高める効果的な方法です。
また、生徒管理システムでは、生徒の学習状況や成績などを管理し保護者に報告できます。
これにより、保護者は自分の子どもの学習状況を把握でき、安心感や信頼感も得られます。
このように、顧客の満足度を高める方法を検討することは個人塾の集客においても重要です。
注意点②:見込み客に対応する
個人塾の集客では、ターゲットとなる生徒を明確にすることが大切です。
しかし、ターゲットの中でも全く見込みがない生徒に対応してのアプローチは時間の無駄になります。
たとえば、個人塾のカリキュラムや料金に全く興味がない生徒や、他の塾にすでに入塾している生徒などがあげられます。
このような生徒に対しては、どのようにアプローチしても入塾を期待できません。
そのため、少しでも入塾の見込みがある生徒に絞り対応することが重要です。
注意点③:集客の効果測定を行う
個人塾の集客でさまざまな方法を試した後にPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回すことも重要です。
行った集客に対して効果測定を行うことで集客方法を改善できます。
たとえば、チラシやポスターで広告した場合は、配布した枚数や反応した人数や入塾した人数などを記録します。
SNSで口コミやレビューをした場合は、投稿した回数や閲覧した人数やコメントした人数や入塾した人数などを記録してください。
記録したデータをもとに、集客方法の効果や改善点を分析します。
分析結果に基づいて集客方法の修正や変更を行い再検討することでより良い集客が可能となります。
注意点④:大手と同じことをしない
大手学習塾は、テレビや雑誌などの広告やチラシなどで積極的に宣伝しています。
しかし、個人塾が同じように広告やチラシを出しても、大手より目立つことは難しいです。
また、大手が行っているような一斉授業や模擬試験なども、個人塾では効果的ではありません。
個人塾は、自分の塾のコンセプトや強みを明確にし、それにあった集客方法を検討する必要があります。
たとえば、個別指導や少人数制などの特徴をアピールする方法が挙げられます。
また、地域密着型やカリキュラムオーダーメイドなどのニッチなサービスを提供するなど、大手とは違う魅力を伝えてください。
注意点⑤:既存の生徒や保護者への対応にも力を入れる
集客ばかりに目を向けており、入塾した生徒への対応をおろそかにしてはいけません。
入塾した生徒が満足しなければ、成績が上がらなかったり、退塾したりする可能性があります。
また、保護者への連絡や報告も不十分だと、信頼関係が損なわれる恐れもあります。
入塾した生徒や保護者への対応に力を入れることで、生徒の定着率や成績向上につながるだけでなく、口コミや紹介という形でさらなる集客が可能です。
生徒や保護者からのフィードバックを受け入れ、アフターフォローやイベントなどで関係性を深めてください。
塾に適した集客方法を用いて効果的に生徒を集めよう!
個人塾は、大手学習塾とは違う魅力や強みを持っています。
個人塾ならではの魅力や強みを意識した集客方法を用いることで、効果的に生徒を集めることができます。
個人塾の主な集客方法としては以下の方法があります。
- ホームページやSNSなどでオンラインで情報発信する
- 口コミや紹介でオフラインで信頼感を高める
- 無料体験授業や無料相談会などで気軽に試してもらう
- オープンキャンパスや見学会などで塾の雰囲気や授業内容を見せる
- 割引やキャッシュバックなどで入塾のハードルを下げる
また、個人塾の集客においては大手と同じことをしないことや既存の生徒や保護者への対応にも力を入れることが重要です。
なお、集客した生徒や保護者の満足度を高めるためには学習塾の教育力やサービス面も重要なポイントとなります。
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