学習塾の経営をすると業務が忙しい繁忙期と比較的時間に余裕のある閑散期があります。
学習塾の経営を効率的に行うには、繁忙期と閑散期に行うべき対策を理解しておくことが重要です。
本記事では、学習塾の繁忙期と閑散期の違いやシーズンごとに塾が行うべき対策を解説します。
本記事を読んで学習塾の繁忙期と閑散期の違いを理解し、効果的な経営スキルを身につける参考にしてください。
習塾はシーズンによって忙しさが異なる
学習塾はシーズンによって行う業務や運営の負荷が大きく変わります。
シーズンによって忙しさが異なる理由は、学校のスケジュールと受験によるものです。
たとえば、夏休みや冬休みは学校が長期休暇に入るため夏期講習や冬期講習などで塾の利用時間が増えます。
また、受験期は生徒との進路相談や受験対策の講習などの業務も増えます。
このように学習塾経営は生徒の学校生活や受験と密接にリンクしているため、シーズンに応じた計画的なスケジューリングが不可欠です。
塾の経営を行う際は、塾の繁忙期と閑散期を理解して、しっかり対策する必要があります。
学習塾の繁忙期
学習塾における繁忙期は、生徒が長期休暇となる夏休みと冬休みです。
夏休みと冬休みは生徒が比較的時間を取りやすく、学習塾の利用頻度が増えます。
そのため、生徒が長期休暇に入る以下の期間では特別講習を行うなどの対策が必要です。
- 繁忙期①:夏期講習(7月〜8月)
- 繁忙期②:冬期講習(1月〜2月)
以下で、夏期講習と冬期講習のそれぞれの特徴を解説します。
2つの時期の特徴を理解することで、事前の対策を立ててください。
繁忙期①:夏期講習(7月〜8月)
7月から8月は、多くの生徒が夏休みとなるため、朝から講習が開始されます。
夏休みは生徒間の学力の差がつきやすく、夏期講習は塾に通う生徒の学力を高めるための重要な業務です。
しかし、夏期講習が行われる夏休みは講義の準備や指導時間も増加することから、学習塾としては非常に忙しくなります。
朝から夕方までの長い講習時間、教材の準備や授業計画に多くの時間がかかることから繁忙期となります。
この期間中はできる限り、多くの講師に入っていただくよう調整するのがおすすめです。
特に採用段階で、事前に伝えておくなどの対策が必要です。
繁忙期②:冬期講習(1月〜2月)
1月から2月も、生徒が冬休みとなるため朝から冬期講習が行われます。
また、この時期は冬期講習に加えて高校受験や大学受験のための指導も必要です。
そのため受験対策の特別講座の設置や模試の実施、さらには個別指導での対策など、多角的なアプローチが求められます。
なかには、受験に向けて夜遅くまで塾を自習室として空けておくなど対策を行う塾もあります。
その場合は、必ず講師を一人塾につけるなど防犯対策が重要です。
1月〜2月は冬期講習や受験生に対する進路相談の時間も増えるなど塾として忙しくなる繁忙期となります。
夏期講習と同様で、事前に講師陣に伝え、シフトを調整してもらうなど対策しておいてください。
繁忙期に向けて学習塾が行うべき対策
繁忙期になると講師の負担が増えるため、業務負荷を減らす必要があります。
通常の業務量と同等の量をこなしながら、受験前の生徒と受験対策を練るのは困難です。
そのため、繁忙期に向けて事前の対策が重要になります。
本章では、繁忙期に向けて学習塾が行うべき対策を3つ紹介します。
- 繁忙期に向けた授業準備を早めに行う
- 採点バイトを採用して塾講師の負担を軽減する
- 採用時点で塾講師に繁忙期を伝えておく
各対策の詳細を以下で確認していきます。
繁忙期に向けた授業準備を早めに行う
繁忙期前に授業準備をしっかりと行うことで、繁忙期に生徒とのコミュニケーション以外の業務を減らすことができます。
夏期講習中や冬期講習中は、講義の時間が長くなるため授業準備を行える時間が少なくなります。
そのため、繁忙期の1〜2か月前から授業準備を進めることが重要です。
事前に授業準備を終わらせておくことで、繁忙期は生徒とのコミュニケーションや講義に集中できます。
繁忙期前には、事前に講師陣と打ち合わせしておくなど、対策を行ってください。
採点バイトを採用して塾講師の負担を軽減する
繁忙期では、生徒の学力を測るために模擬試験が行われることが多いです。
しかし、大量のテストの採点は講師やスタッフの負担となります。
そのため、採点バイトを採用してテストの採点を講師以外に任せるなどの配慮も重要です。
業務を分担することで、繁忙期に講師にかかる負担を軽減できます。
繁忙期の2ヶ月前から採点バイトの採用を始めるなど、事前の動きが重要になります。ぜひ検討してください。
採用時点で塾講師に繁忙期を伝えておく
講師にとっても繁忙期は予想以上に負担がかかる時期であるため、採用時にしっかりとその旨を伝えておくことが重要です。
繁忙期の業務内容とその対応力について事前に話し合い、確認しておくことで労働時間や残業などでのトラブルを避けられます。
また、アルバイトや新任講師は繁忙期の忙しさを理解していない場合が多いです。
そのため、学習塾が早めの授業準備を呼びかけるなどの塾運営を行うことが大切です。
塾全体で対策を練ることで、繁忙期のトラブルを避け、生徒への講義に集中できる環境を整えておいてください。
学習塾の閑散期とその対策
これまで繁忙期について見てきました。一方で、学習塾には比較的業務が落ち着く閑散期もあります。
閑散期は、繁忙期に比べて講義の時間が少なく、講師陣にも余裕がある時期です。
閑散期としては、具体的に以下の期間があります。
- 閑散期①:5月〜6月
- 閑散期②:10月〜11月
学習塾での閑散期の特徴を以下で確認します。
閑散期①:5月〜6月
新年度になり4月に新入生が増えた後、5月〜6月は生徒の入塾が落ち着きます。
また、5月〜6月は生徒が通常の学校生活を送っているため講義などは夕方以降からしか始まりません。
そのため、この時期はお昼に授業準備をする時間を確保しやすく比較的業務負担が軽くなります。
塾の経営者は、既存生徒の維持のためのプログラム提供や新規生徒募集のためのマーケティング戦略を練る時間が確保できます。
講師陣と協力して、この期間に繁忙期の準備を行うなど対策にあてる時間にしてください。
閑散期②:10月〜11月
夏休みが明けて学校生活が落ち着く10月〜11月も、塾経営における閑散期となります。
5月〜6月と同様に生徒は夕方以降に塾に来るため、お昼の時間は授業準備やその他の業務に時間を費やせます。
ただし、この時期は夏休みが明けて生徒の授業に対する緊張感が失われやすい時期でもあります。
10月〜11月は塾経営において生徒のモチベーション維持などの指導に力を入れることが求められます。
また、閑散期があけた後の1〜2月の冬期講習では、受験前の対策などが必要になってきます。
塾全体として成果が出せるよう講師陣と作戦を立てるなど、閑散期を有効に活用してください。
閑散期に向けて学習塾が行うべき対策
閑散期は業務に比較的余裕が出る期間です。
そのため、閑散期をうまく活用することで、その後の繁忙期対策や講師の指導力を向上させることができます。
閑散期に様々な対策を行うことで塾経営を上手く進められるのです。
閑散期は、スタッフや講師が比較的時間をとりやすいため以下の取り組みを行うことがおすすめです。
- 塾講師の指導力を高められるように研修を実施する
- 採点バイトなどの塾スタッフのリクルートをしておく
各対策の詳細を確認します。ぜひ参考にしてください。
閑散期に塾講師の指導力を高められるように研修を実施する
閑散期は塾講師が比較的時間をとりやすいため、研修を取り入れることがおすすめです。
塾経営において、講師の講義力は塾のブランド力を高めるうえで不可欠です。
レベルの高い講師が多数いることで授業の質の高さが保護者の間で口コミとなり、生徒の集客にもつながります。
閑散期は模擬授業や生徒指導のあり方などの研修を通して講師の指導力を高める時間を作るのがおすすめです。
具体的にどのような研修を取り入れるべきか悩んでいる方は、以下の記事を参考にしてください。
参考:塾講師のバイトに研修は必要?おすすめの研修内容や期間、獲得できるスキルを詳しく解説
採点バイトなどの塾スタッフのリクルートをしておく
繁忙期に向けて、閑散期のうちに採点バイトなどの塾スタッフをリクルートしておくことも大切です。
繁忙期直前でのリクルートでは、もしもスタッフを採用できなかった場合に各講師の負担が大きくなります。
閑散期だと思い余裕を持つのではなく、繁忙期までのスケジュールを意識した採用活動が必要です。
また、比較的時間に余裕がある閑散期にスタッフを募集することで育成にも力を入れることができます。
特に、新たに採用したスタッフには、OJTなど講師に余裕があるタイミングでしかできない研修を受けさせるのがおすすめです。
OJTは研修の中で実践的な技術を学べるため、経験が浅い塾講師に特におすすめの研修です。
繁忙期に対応できるように、閑散期の内に早めに採用活動を進めるのが重要です。
学習塾の繁忙期・閑散期に関するよくある質問
本章では、学習塾の繁忙期・閑散期に関するよくある質問として、以下の2つを紹介します。
- 繁忙期に向けて求人を開始する適切な時期は?
- 閑散期を作らないようにする方法は?
これまで見てきたように、繁忙期と閑散期には事前の対策が重要です。
塾経営者の方は繁忙期・閑散期に関する疑問を解決するための参考にしてください。
繁忙期に向けて求人を開始する適切な時期は?
繁忙期に向けて求人を開始する適切な時期は繁忙期の1〜2か月前です。
求人情報を掲載してから面接までに2週間、面接から採用・研修までにさらに2週間が必要となります。
そのため、繁忙期に向けてスタッフや講師を充実させるためには最低でも1か月は前もって求人活動を始めなければなりません。
優秀な人が上手く集まらないなどリスクを考慮したスケジュールをひき、事前の対応を行ってください。
早めに求人活動を始めることで、繁忙期に十分な人手を確保できます。
閑散期を作らないようにする方法は?
閑散期を作らないためには、積極的なマーケティング戦略を用いて多くの生徒を集めることが重要です。
生徒数が多ければ、一般的な閑散期でも仕事が増え、閑散期を感じにくくなります。
ただし、閑散期を感じないほど生徒を集めると閑散期にしておくべき授業準備などができなくなる恐れがあります。
そのため、生徒数に応じて塾のスタッフや講師を増やすなどの調整が必要です。
また、閑散期を防ぐためのマーケティングを行う上で最も重要なのは、自分の塾にあったマーケティング戦略を考えることです。
具体的には、自分の塾の強みを整理し、ターゲットを明確にすることが重要です。
ただ闇雲にマーケティングを行うだけでは集客ができないため、ポイントを理解したマーケティング戦略を立てることが求められます。
学習塾を経営する上で、マーケティングについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考:【成功法則】学習塾のマーケティング戦略・集客方法15選!ポイントや注意点、成功事例を詳しく解説!
学習塾は繁忙期・閑散期に備えた対策をすることが塾経営成功のポイント
学習塾は、繁忙期と閑散期で忙しさが異なります。
そのため、繁忙期に向けて授業準備を早めに行い、採点バイトなどのスタッフの求人を進めるのが重要です。
繁忙期に向けた対策を行うことで、繁忙期の講師の負担を軽減し、質を落とすことなく授業に集中できます。
また、閑散期を有効に活用することで塾講師の講義力の向上や繁忙期への対策に活かせます。
このようにシーズンごとに備えをしておくことが塾経営を成功させるポイントです。
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