個人学習塾で多くの生徒を集客し塾経営を成功させるためには、いくつかのポイントを理解する必要があります。
本記事では、個人塾・私塾の経営が難しいと言われる理由や成功するためのポイントについて解説します。
この記事を読むことで、個人塾・私塾の経営に必要な知識や戦略を理解し、成功に近づくことができます。ぜひ、参考にしてください。
個人塾・私塾の経営が難しいと言われる理由
個人塾・私塾の経営が難しいと言われる理由には、以下3つの理由があげられます。
- 子どもの数の減少
- 大手学習塾が強い
- 優秀な塾講師が集まらない
それぞれの理由について順番に確認していきます。
理由①:子どもの数の減少
子どもの数が減っている現状は、個人塾・私塾にとって深刻な問題です。
具体的には、2021年と比較して2022年の時点で15歳未満の人口が28万2千人ほど減少しています。
学習塾は、子供の数の減少によって生徒を取り合う競争が激化しています。
少子化によって対象とする生徒数自体が減少し、それが個人塾・私塾の経営を厳しくしているのです。
子供の数が減少している現代では、個人塾・私塾の経営がより困難になっているといえます。
参考:総務省統計局「人口推計(2022年(令和 4年)10月 1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)」
理由②:大手学習塾が強い
個人塾・私塾の経営が難しい原因の1つに大手学習塾の存在があります。
大手学習塾はブランド力や広告によって、保護者からの信頼を獲得しています。
たとえば、東進ハイスクールはテレビ広告やWeb広告でその存在をアピールしているため、認知度が高いです。
大手の強いブランド力により、多くの生徒や保護者が大手塾を選ぶ傾向にあります。大手塾に生徒が流れる結果、個人塾・私塾に生徒が集まりづらい構造となっています。
大手の存在感が強すぎる点も個人塾・私塾が生徒を獲得することが困難になる理由です。
理由③:優秀な塾講師が集まらない
個人塾・私塾では優秀な塾講師が集まりづらいことも成功が難しい要因です。
優秀な塾講師の多くは、高い給料と安定した環境を求めて大手塾に流れる傾向にあります。
しかし、個人塾は大手塾と比べて資金力が低いため、優秀な講師を集めるのが難しいです。
給与面などを求めて優秀な講師が集まらないと塾の教育の質が低下します。
その結果、塾の評判が上がりきらず、生徒が集まらなくなり経営が厳しくなるのです。
個人塾・私塾を成功させるための4つのポイント
個人塾はただ経営していれば上手くいくものではありません。
塾経営を成功させるためには、以下4つのポイントを理解しておく必要があります。
- 塾の理念や方針を明確にする
- 個別指導からスタートする
- 生徒や保護者のためのサービスを導入する
- 生徒を集めるためのマーケティング戦略に力を入れる
どのポイントも個人塾を成功させる上で重要な要素です。
それぞれのポイントについて詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
塾の理念や方針を明確にする
塾経営を成功させる第一歩は、塾の理念や方針を明確にすることです。
理念が曖昧だと、具体的な学習計画も立てにくく塾の成長が望めません。
たとえば、英語特化型の塾であれば、それに合わせたカリキュラムや指導員を選ぶことが求められます。
このように塾の理念や方針にあった人材を採用することが重要です。
また、塾の理念が明確であれば、生徒を集める際にも役立ちます。
具体的にはマーケティングを行う際に、塾の方針や他の塾との差別化ポイントがあれば、それを打ち出すことが可能です。
このように塾の方針を生徒や保護者に周知することで、より人を集めやすくなります。
塾経営を上手く進めるためには、まずは塾の理念や方針を事前に決めておくことが重要です。
個別指導からスタートする
個人塾・私塾は個別指導からスタートすることで、初期コストを抑えることができます。
個別指導は集団指導と比べてスペースも小さくすむため、家賃などの固定費を削減できます。
塾を運営するにあたり、人が集まりやすい場所に位置する広いスペースを借りるのはコストがかかるため、個別塾ならではのメリットです。
また、個別指導からスタートすることで、マンツーマンでの細やかな指導が可能となるため生徒からの評価も高まります。
生徒や保護者からの評価が高まることで、口コミによる塾のブランド力向上にもつながる可能性があります。
まずは、個別指導から小さくスタートすることが成功のためのポイントです。
生徒や保護者のためのサービスを導入する
生徒や保護者に対するサービスを導入することで信頼と満足度を高められます。
たとえば、通塾管理システムを導入することで、保護者が手軽に子どもの出欠状況の確認が可能となります。
それにより、保護者からの信頼の獲得に繋がるのです。
このようなサービスを提供することで、生徒や保護者からの信頼が高まり、長期間にわたる関係性を築けるようになります。
一方的な授業を行うだけでなく、生徒や保護者の信頼と満足度を高めるサービスも塾経営を成功させるためのポイントです。
ぜひ、生徒や保護者からの信頼を得られる工夫・サービスを導入してください。
生徒を集めるためのマーケティング戦略に力を入れる
塾経営を成功させる最も重要なポイントは、効果的なマーケティング戦略の立案です。
チラシの配布や看板の設置をしたとしても、塾のコンセプトにあったマーケティングを行わなければ生徒は集められません。
そのため、既存の大手塾のマーケティング手法を模倣するのではなく、自塾にあった方法を見つけ出すことが成功へのポイントです。
授業の理念や方針、現在の講師陣の特徴を踏まえて塾のコンセプトに適したマーケティング戦略を立てることでより多くの生徒を集めることができます。
マーケティング戦略について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考:【成功法則】学習塾のマーケティング戦略・集客方法15選!ポイントや注意点、成功事例を詳しく解説!
個人塾での独立に失敗する原因
個人塾経営は、成功する人もいれば失敗する人もいます。
本章では、独立に失敗する主な原因を3つ取り上げ、その対策について解説します。
- 塾に適さないマーケティング戦略を行なっている
- 大手学習塾の真似しかしない
- 価格競争に負けてしまう
以下で詳しく解説します。個人塾での成功を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
原因①:塾に適さないマーケティング戦略を行っている
マーケティング戦略が不適切な場合、生徒を集めるのが難しいです。
そのため、対象とする生徒層に応じてマーケティング戦略を考える必要があります。
具体的には、大学受験生を対象にした塾であれば、合格実績やカリキュラムの特色を強調した戦略が有効です。
一方で、中学生の基礎学力向上を目的とした塾なら、学力向上のための具体例をアピールすべきです。
たとえば、大学受験生向けの個人塾であるにもかかわらず、「学ぶ楽しさを伝える」というコンセプトで塾を経営したとします。
その場合、「大学受験までに必要な勉強が間に合わない」と興味を持ってもらえない可能性が高いです。
また、他の塾が行っている方法と同様のマーケティング戦略を取るのもおすすめしません。
たとえば大手塾と同じ戦略を取っていると、「同じ内容なら信頼性が高い大手塾に行く方が良い」と思われる可能性が高いからです。
個人塾の経営を考えている方は、自分の塾独自のマーケティング戦略を考える必要があるのです。
原因②:大手学習塾の真似しかしない
大手塾は既にブランド力があり資金力も個人塾と異なるため、大手塾の模倣をしても上手くいかないことが多いです。
そのため、個人塾は独自の教育内容や指導法を確立することが重要です。
たとえば、地域社会に密着したプログラムや、保護者への綿密なフォローなどがそれに当たります。
大手塾ではできない密接なコミュニケーションや生徒に寄り添ったコミュニケーションを築くことで、大手塾との差別化を図れます。
失敗する多くの個人塾が大手塾と同様の戦略を取ってしまうため、注意してください。
個人塾では、大手塾では提供できない価値を生徒や保護者に提供することで独自のブランド力を築く必要があります。
原因③:価格競争に負けてしまう
競合との価格競争に敗れてしまうと、生徒を上手く集められないことがあります。
基本的に塾は高額に感じられることが多く、保護者としてはできるだけ安く済ませたいと思うことが多いです。
そのため、似たようなサービスを提供している塾に対して価格競争に負けてしまうと、自分の塾に生徒が集まらない可能性があります。
そうならないために、塾の価格を決める際は注意深く考えてください。
しかし、大手学習塾と比べて個人塾・私塾は授業料の割引にも限界があるのも事実です。
そのため、個人塾・私塾は授業料以上の価値を提供することが求められます。
具体的には、高品質な教材や独自の指導方法、アフターケアなどです。
また、授業料以上の価値を提供することで、保護者や生徒からの評価を高められ集客をうまく進められます。
個人塾・私塾を開業するメリット
個人塾は大手塾と異なり認知度が低く、生徒を集めるのに時間とお金がかかります。
しかし、個人塾・私塾を開業する場合、大手塾にはない多くのメリットがあるのも事実です。
具体的には以下3つのメリットがあります。
- 副業からスタートできる
- 集客に成功できれば多くの収入を手にできる
- 過去の学びを活かせられる
学習塾経営のメリットを以下で確認します。
メリット①:副業からスタートできる
個人塾や私塾は、本業と並行して副業として始めることができます。
副業として塾経営を始められる点は大きな魅力です。
本業がありながら、塾を開業することで夕方以降にも収入を得られます。
自宅を教室にして本業終了後に生徒に学習指導をしたり、週末に特定の科目を教えるセミナーを開催したりすることでリスクを最小限に抑えつつ収入の柱を増やせます。
メリット②:集客に成功できれば多くの収入を手にできる
個人塾や私塾では、生徒の集客次第で収入が大きく変動します。
個人塾として多くの生徒を集めることができれば、収入は格段に増えます。
生徒を集めるマーケティングに成功すれば、青天井で収入を増やせる点も塾経営のメリットです。
メリット③:過去の学びを活かせられる
過去に大学受験や資格試験で得た知識やスキルは、個人塾・私塾を開業する際に役立ちます。
例として、数学が得意であれば数学専門の塾を開業することで、そのスキルを最大限に活用できます。
また、受験で培った心構えや勉強法も教育プログラムとして生徒に提供可能です。
個人のスキルと経験がビジネスにつながるのは大きなメリットと言えます。
個人塾・私塾開業に必要な準備
個人塾・私塾を開業するためには、以下の準備が必要です。
- 開業届の提出
- 資本金の準備
- 教室や設備の準備
個人塾・私塾をスムーズに開業するための参考にしてください。
開業届の提出
開業届の提出は法的手続きとして必須です。
開業届の提出は、学習塾の開業後1か月以内に提出しなければなりません。
届出がないと、青色申告ができなくなるなど税務上のデメリットが発生します。
開業届に必要な書類を事前に確認し、提出を忘れないようにしてください。
資本金の準備
資本金の準備は塾運営に必要です。
個人塾を開業する場合には初期費用と運用費用を合わせて200〜500万円の費用が必要になります。
この資金準備がないと、教材購入や広告費、日常の運営費などで困る可能性が高いです。
個人塾・私塾を開業する際は、もしもの場合に備えて可能な限り資本金を準備しておくことが大切です。
教室や設備の準備
個人塾・私塾を開業する場合、授業を行う場所とその設備の準備が必要です。
塾のコンセプトや目的に合わせて、教室や設備を整えてください。
たとえば、ITを活用した授業を考えている場合、必要なパソコンやタブレットの購入、Wi-Fi環境の整備が必要になります。
なお、このような設備投資も初期費用として計画する必要があります。
個人塾・私塾に関するよくある質問
個人塾・私塾経営について、疑問や不安を感じる方も多いです。
ここでは、塾経営に関するよくある質問を紹介します。
- 個人塾・私塾の強みは?
- 個人塾・私塾開業のリスクは?
- 塾経営で固定費を抑えるためのポイントは?
- 塾経営者の年収の目安は?
以下で、各項目の詳細を確認していきます。
個人塾・私塾の強みは?
個人塾・私塾の最大の強みは、独自の教育指導が可能な点です。
個々の生徒に合わせた指導ができるため、学力の向上が期待できます。
特に、マンツーマンの指導が可能な場合、その効果は顕著です。
大手学習塾と比べて、小規模な個人学習塾ならではの指導が強みと言えます。
個人塾・私塾開業のリスクは?
個人塾・私塾開業のリスクは、開業しても生徒が集まらないと経営が難しくなることです。
運用コストを回収できない場合、赤字経営となります。
特に、塾経営には教室用の物件や講師の人件費などが必要です。
そのため、学習塾開業前の事前市場調査とマーケティング戦略の立案が重要なポイントとなります。
塾経営で固定費を抑えるためのポイントは?
自宅を教室として利用することで物件費を抑えられます。
また、小規模な塾の場合は講師を雇わずに1人でスタートすることで人件費も不要となります。
塾経営は毎月の固定費が経営を圧迫するリスクを高めるため、開業直後は上記の方法を用いて固定費を抑えるのがポイントです。
塾経営者の年収の目安は?
塾経営者の年収は、塾の規模や在籍する生徒数によって大きく異なります。
そのため、塾経営者の年収は塾によりさまざまです。
塾の経営者は多くの生徒を確保し効率的な経営を行うことで年収を高められます。
塾経営がうまくいっている学習塾の経営者の場合、年収が1000万円を超えることも珍しくありません。
個人塾・私塾の経営は入念な準備をしよう!
個人塾・私塾の経営には、入念な準備が必要です。
開業前には、資本金の準備や塾のコンセプトにあった教室や設備の準備、マーケティング戦略の立案などが欠かせません。
個人塾・私塾は、独自の教育指導が可能であるため、柔軟かつ効果的な教育ができる点が強みとなります。
塾の強みを考えたマーケティング戦略を練って生徒を効率的に集めてください。
なお、開業まもない個人塾は講師の採用に躓くことがあります。
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