塾を開業するためには、特別な資格は必要ありません。
しかし、講師が資格を取得していることは塾の経営に有利に働きます。
塾を開業して質の高い講義を続けることで塾の口コミが高まり、生徒の集客にもつながるのです。
本記事では、塾経営をする際に塾講師が取得しておくべきおすすめの資格を紹介します。
また、塾講師に求められる能力や資質も解説するので、ぜひ参考にしてください。
塾の開業に資格は不必要!ただし集客で有利になる場合も
塾の開業に必ずしも資格は必要ではありません。
特定の資格を持っていなくても、専門知識と教育への情熱があれば塾経営を始めることができます。
しかし、塾の経営を成功させるためには講師の講義力やスキルが必要です。
資格を取得している講師は、一定の学力やスキルがある証明となるので、塾経営に有利に働きます。
学習塾の開業時には資格を取得していない場合が多い
学習塾を開業する場合、多くの方が資格を取得していない状態で開業します。
資格の取得は時間がかかるため、塾を開業する際に後回しにされることが多いです。
しかし、開業後に資格の取得を目指す方も多いです。
資格を持つことには多くのメリットがあるので、各資格が持つ効果を理解して、資格取得を検討してください。
塾講師で資格があると集客・マーケティングの時に有利に
塾講師が資格を所有していると集客・マーケティングに有利になります。
資格の所有が生徒の集客やマーケティングに有利になる理由は以下の通りです。
ポイント | 内容 |
---|---|
資格のメリット | 生徒や保護者からの信頼向上 |
スキルの強化 | 授業の質向上、受験対策の強化 |
資格を取得するためには、一定以上の学力や知識が必要です。
資格を取得した専門性の高い講師がいることで、生徒や保護者からの信頼が高まります。
生徒や保護者の信頼は口コミや塾のブランド力にも直結するため、集客・マーケティングで有利になるのです。
塾開業時に持っておくと有利になる資格9選
塾講師の講義力や指導力は塾経営を成功させるためのカギとなります。
塾開業時に講師が取得していると有利になる資格は下記の通りです。
- 資格①:学士号・修士号・博士号
- 資格②:教員免許
- 資格③:TOEIC(トーイック)
- 資格④:実用数学技能検定(数検)
- 資格⑤:学習塾講師検定
- 資格⑥:実用英語技能検定(英検)
- 資格⑦:日本語漢字能力検定(漢検)
- 資格⑧:小論文検定
- 資格⑨:歴史能力検定
以下で、それぞれの資格の詳細を解説します。
資格①:学士号・修士号・博士号
学士号・修士号・博士号は大学や大学院を卒業することで取得が可能です。
学習塾の講師として働く際は、専門的な知識が求められます。学位があることで専門分野での授業ができる証明となります。
東大卒など、学歴が高い講師が揃う学習塾は生徒や保護者からも高い信頼を得られます。
資格②:教員免許
教員免許は、学校現場で教育を行うために必要な免許です。
教員免許を取得するためには教育理論や児童心理などの教育に関する講義を受けなければなりません。
教員免許を取得することで、教育に関する知識を理解した上で講義を行うことができます。
資格③:TOEIC(トーイック)
TOEICは英語の実力を測ることができる資格です。
TOEICの点数は講師の英語力の証明となります。
例えば、TOEICで高得点を取れる講師がいることで、生徒や保護者に対して高い信頼を得ることができます。
700点以上の点数を持っていると、高い水準の英語の講義ができる証明となります。
資格④:実用数学技能検定(数検)
実用数学技能検定(数検)は数学のスキルを測ることができる資格です。
数学の教育に特化した資格であり、幼児向けから大学向けまで、多岐にわたるレベルが設定されています。
実用数学技能検定(数検)を取得しておくことで生徒のレベルに応じた、わかりやすい数学の授業ができるようになります。
2級以上の実用数学技能検定(数検)を取得していると、高い水準の講義ができる証明となるので、おすすめです。
資格⑤:学習塾講師検定
学習塾講師検定とは、塾講師に必要な能力を客観的に判断するための試験です。
検定対策の過程で、塾講師に必要な知識、技能、能力を学ぶことができます。
学習塾講師検定を取得することで教育理論や授業方法を体系的に理解した講義が可能となります。
塾講師としての専門性を高めたい場合におすすめです。
資格⑥:実用英語技能検定(英検)
英語教育が重視される現代において、実用英語技能検定(英検)の資格は塾講師にとって大きな強みと言えます。
英検は、英語力がある証として広く認知されており、5級から1級までのレベルが設定されています。
特に準1級以上を持っていると、英語の授業における高い指導力を証明できます。
英語の指導に力を入れたい場合に取得がおすすめの資格です。
資格⑦:日本語漢字能力検定(漢検)
国語の教科を教える講師におすすめの資格が、日本語漢字能力検定(漢検)です。
日本語漢字能力検定は漢字力を測る資格であり、取得することで漢字の正しい書き方や使い方が身につきます。
2級以上の取得をしていれば、国語教育の専門性が高まり生徒や保護者から信頼が得られます。
質の高い国語の授業を行いたい場合におすすめの資格です。
資格⑧:小論文検定
小論文検定とは、文章の一貫性、構成力、説得力、表現力をもとに論作文能力を測るための検定です。
取得することで、小論文を作成するための高いスキルを持つことの証明になります。
高校入試や大学入試には小論文が課せられる場合が多いので、生徒の進路指導の際に小論文の指導ができることは大きなメリットです。
また、小論文検定を取得することで論理的な思考力や表現力を向上できるため講義力の向上にもつながります。
資格⑨:歴史能力検定
社会科を教える講師に最適な資格が歴史能力検定です。
歴史能力検定も持つことで歴史の教育における専門的な知識があることの証明となります。
歴史の事象や背景を理解できるため、より充実した授業を行うことが可能です。
高校受験や大学受験で社会科は必須科目となる場合が多いため、歴史能力検定を取得している講師がいることは塾の強みとなります。
塾講師に必要な能力・資質は?
塾講師として活躍するためには、多くの能力や資質が求められます。
ここでは、塾講師に必要な能力・資質として以下の5つを紹介します。
- 学力
- 向上心
- コミュニケーション力
- 責任感
- 思いやり・ホスピタリティ
資格以外に塾講師に求められるスキルを確認していきます。
学力
塾講師のメイン業務である講義をよりわかりやすいものにするためには、基礎的な学力が必要です。
教える内容を講師自身が正確に理解していなければ、生徒に正しい知識を教えることができません。
大学受験対策など生徒に高い学力を身につけさせるためには、講師自身が日々勉強に励み学力を高める必要があります。
向上心
塾講師が高い向上心を持つことは重要です。
塾講師を始めたての方は、講義がうまくできないことが多いです。
しかし向上心があれば、初めはうまく講義ができなかったとしても徐々にわかりやすい講義ができるようになります。
向上心の高い講師は、自身のスキルを高められキャリアアップも目指せます。
コミュニケーション力
生徒と意思疎通するためにはコミュニケーション能力が必要です。
講義中に生徒の理解度を確認するには、効果的に意見を交換できる力が求められます。
また、コミュニケーション力が高い講師ほど生徒からも親しまれるため、生徒の授業を受けるモチベーションも高まります。
そのため、学習塾において講師のコミュニケーション力も重要な能力と言えます。
責任感
塾講師には、単に教科書の内容を教えるだけではなく生徒の未来を形作る重要な役割があります。
そのため、生徒が目標の高校・大学に進学できるよう責任感を持って仕事に取り組むことが大切です。
塾講師には、生徒一人ひとりの進学先や夢に合わせた指導が行えるように高い責任感を持つことが求められます。
思いやり・ホスピタリティ
塾講師は業務的な講義にならないように、思いやりやホスピタリティを持って生徒に接することが大切です。
生徒のモチベーションを高めるためには、ただ知識を教えるだけではなく楽しく学べる環境を作る必要があります。
思いやりやホスピタリティのある塾講師は、自ずと生徒や保護者からも高い信頼を得られるため、重要な素質です。
塾を開業するまでの流れ
塾を開業するためには、以下の4つのステップを理解する必要があります。
- ステップ①:事業計画を策定する
- ステップ②:資金調達を行う
- ステップ③:物件を決定する
- ステップ④:集客・マーケティングを行う
それぞれのステップで重要なポイントを解説します。
ステップ①:事業計画を策定する
学習塾を開業する場合は、まずは事業計画を策定する必要があります。
事業計画を策定する際には、どのような塾を開業したいのかコンセプトを明確にすることが重要です。
大学受験に特化した学習塾や夏期講習・冬季講習に力を入れた学習塾など塾の強みがあることで、開業後に生徒の集客がしやすくなります。
事業計画は塾の方向性を作る重要なステップであるため、時間をかけてでも良い事業計画を策定してください。
ステップ②:資金調達を行う
塾を開業するためには資金調達を行う必要があります。
塾の規模や教室の立地にもよりますが、塾の開業には200万円〜500万円ほどの費用が必要です。
また、生徒が集まるまでの間、講師へ支払う給料など運用コストも考える必要があります。
塾を開業する際は、銀行からの借り入れなど資本調達の方法を検討してください。
ステップ③:物件を決定する
塾の物件を決定する際、できるだけ学生が通いやすい場所を選ぶことが大切です。
大通りに面した物件など、学生の目に留まりやすい場所を選ぶことは生徒の集客に置いても大きなポイントです。
また、保護者の送り迎えで塾に通う生徒もいるため、駐車場を完備した物件を選ぶのもおすすめです。
物件を選ぶ際は、塾のコンセプトに沿った建物を選んでください。
ステップ④:集客・マーケティングを行う
塾を開業する際は、ターゲットに合わせた集客方法を検討することが重要です。
塾の集客・マーケティング戦略には以下のものがあります。
- チラシ
- 看板
- 広告やSNSでの宣伝
塾のコンセプトを考えた上で、最適な集客・マーケティング戦略を検討することが重要です。
塾の集客・マーケティング戦略について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考:manabo「【成功法則】学習塾のマーケティング戦略・集客方法15選!ポイントや注意点、成功事例を詳しく解説!」
塾講師に関するQ&A
塾講師に関するよくある質問として以下の2つをQ&A形式で紹介します。
- 塾講師の仕事内容は?
- 塾講師の年収は?
塾講師の具体的な仕事内容や年収について詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
塾講師の仕事内容は?
塾講師の主な仕事内容は講義・講義準備・進路相談・保護者対応です。それぞれの詳細は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
講義 | 生徒の学力向上を目指して指導を行う |
講義準備 | 教材を作成して授業プランを立てる |
進路相談 | 進学や将来に向けてのアドバイスやサポートを提供する |
保護者対応 | 学習進度や悩みを保護者と共有して連携する |
塾講師はただ講義をするだけではなく、生徒一人ひとりと向きあい成長をサポートすることが求められます。
塾講師は、講義を通して生徒の将来に影響を与えられるやりがいのある仕事です。
塾講師の年収は?
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると塾講師の平均年収は575万円程度と報告されています。
日本人労働者の平均年収は約443万円であるため、塾講師の平均年収は日本人労働者の平均年収に比べてやや高めです。
また、塾講師の年収は資格の有無によっても手当が加算されることがあります。
資格を取得し塾講師としてのスキルを高めることで年収の増加が期待できます。
参考:政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」
資格を取得して塾講師としてのスキルを高めよう!
塾を開業する際に塾講師が資格を取得していると、生徒に対して専門性の高い講義や指導ができます。
塾講師としてのスキルを高めるためには、本記事で紹介した9つの資格の取得を検討してください。
質の良い講義は生徒間での口コミとなり、生徒の集客にもつながります。
なお、開業して間もない学習塾では資格を持つ塾講師の採用がうまくいかないケースも多々あります。
manaboを利用することで、24時間365日いつでも生徒の質問に答えられます。
東大生・京大生・医学生中心の学生講師を中心に構成されているため、塾に通う生徒の幅広い科目や高いレベルの質問に的確な指導が可能になります。
「資格を持つ塾講師の獲得がうまくいかない」「生徒からの質問にすぐに答えられない」といった悩みを持つ学習塾の経営者様は、ぜひ一度manaboへご相談ください。